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今年の予定

気づけば2018年も15日目。時間がたつ時速がどんどんあがっていくのを感じ、アインシュタインに思いを馳せたりする毎年1月。

今年はグループ展2、3つと初個展ひとつ。ガツガツ作っていかないと、時の早さにただ巻き込まれてしまうだけなんですが、年末年始にダウンして以来、出だしはゆっくりぎみ。大丈夫か私。

大学出て数年以内に個展はやるもんだ的な日本の伝統および暗黙の了解からみると今さら初めての個展なんてと言われそうな気もしないでもないけれど、このサイトを作っていたらあれよあれよと出てくる作品。多い。これを全部飾るわけにもいかないけど、なにかできるんじゃないかとおもったのがきっかけ。

それに、廃れ行く技法のリトグラフを、もっとスイスの人に知ってもらえないかと考えたのもひとつ。日本では木版画の歴史から派生し、義務教育でも版画をやっているため(教育カリキュラムを考えた人、たぶん山本鼎、偉いなーっていつも思う)、多かれ少なかれ版画になじみはあるし、いくつもの美術大学の専攻なりコースでも版画専門が存在するため、作家人口もおおいし、それなりに見る人買ってくれる人も存在し、いくつもの理由から版画にだれもが親しみがあるであろう日本。一方、美術大学での専門教育もないし、工房もどんどん閉じていっているスイスの版画事情。毎年我々の工房では美大の美術教員養成課程の学生たちに1週間、リトグラフやリノカットを体験してもらうんだけど(これについては思うことが多すぎるのでいつか記事に。)、初めて版画をやる人も少なくなく、「版画は刷ったときに反転します。」と基本の考え方から技術まで、教えないといけない。美大生でこんな感じなので、一般のひとだともっと状況は過酷だろう。アート都市バーゼルといえど、版画には暗いかもしれない。たとえ活版印刷で成した財で収集した美術品をベースに、我が市立美術館のコレクションのベースができたと言うほど、印刷物にはゆかりがある土地だと言うのに。

さて、版画を刷り、工房運営チームにも参加し、リトグラフや版画のコースをもって技術を普及したい身としては、もうちょっといろんな人に版画を身近に感じてもらえたらとおもい、できればどの展示もリトグラフで制作したい。

今年は他にも技術向上が目標。木版をもうちょっとましに刷りたい。ライン川が近くにあると言えど、スイスの湿度の低い環境だと摺が難しい。それに、自分自身やリトグラフ、工房の存続もかけて、工房にある機材を全部ちゃんと覚えよう。特に写真製版をならうのと、銅版画復帰。私と私のボスだけが、20人ほどいる工房利用者のなかで工房の機材や技法を把握している。他のコースのテクニカーたちはリトグラフやらないし(やったとしてもかなり危なっかしいし作業がヒジョーに汚い。)、宝の持ち腐れとこのようにして技術は衰退する。

ところで私の日本での母校は、一般的には美大レベルではしたの方に思われることがあったりするけど(大学院からバーゼルで、最終学歴スイスだし、外国来ちゃったから他の美大とかどこ卒業とかもはやどうでもいいけど、他美大出身の人に出くわすと一瞬身構える)、すべての版種(版種:さまざまな版画の技法の種類のこと)を手取り足取り、しかしスパルタに叩き込まれた。他の大学事情は知らないけど、これだけきっちり系統立てられた教育カリキュラム、かなり作業をしたひとが考え抜いて配置したのがわかる工房の機材。今でも授業で習ったことをいちいち思い出す。そのお陰でいま教えられていると思うほど。美大なので、絵の作り方とか画面構成、コンセプトといったことも指導される。あの大学に行ってよかったと本当に思う。

「そういった意味では君はスイスではかなり特殊な存在だ」とボスに言われる。

話がそれました。

年々増える作品数。今年はもうちょっと頭も技術も使い、キレッキレのを作っていけたらとおもいます。

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